3 Airbnbがカウチサーフィンの人気を凌駕したのはなぜ?
では、なぜAirbnb(エアビーアンドビー)はカウチサーフィンの人気を凌駕してしまった(することが出来た)のでしょうか?カウチサーフィンのほうが安く泊まれるわけですから、不思議ですよね。
3-1.カウチサーフィンは仕事ではないため、とてもアバウト…。
カウチサーフィンは無料で泊まることができますが、そのぶん宿泊環境も接客もざっくりしているから、というのがその理由です。
3-1-1.リビングのソファー泊だったり、ベッドのシーツが洗ってなかったり…。
カウチサーフィンの「カウチ」とはソファーの意味で、「リビングのソファーで良ければ貸すから泊まっていきなよ!」といった気軽なコンセプトで始まっています。カウチサーフィンのホストの中にはしっかり個室を用意する人も多いですが、ソファーしか提供しない人も少なくはありません。また、個室は提供すれどあまり清潔ではなかったり、ベッドシーツも特に洗濯せずに貸し出しているケースが、少なくないのです。
3-1-2.ホストの都合や気分次第で、前日キャンセルや当日キャンセルも頻発する。
またカウチサーフィンは、宿泊の約束も「ホストの都合が最優先」です。前日になって突然、「ごめん、明日は泊められなくなったよ!」とキャンセルの連絡が来たり、当日キャンセルさえ起こることがあります。ゲストはお金を払っているわけではありませんから、ホストを怒ることもできませんし、約束を徹底させることも、キャンセルにペナルティを課すこともできません。これはちょっと大変ですね…。
3-1-3.気が向いたときしかホストしないので、大都市でも見つからないことがある。
さらに、そもそも部屋を貸し出すかどうかがホストの気分次第で、カウチサーフィンにまったくログインしない期間も長かったりするため、大都市であってもなかなかホストが見つからないことがあります。
3-2.カウチサーフィンの弱点を、Airbnbが是正した!
このように、カウチサーフィンは無料であるぶん、欠点や不便さも多く含んでいたのでした。それに対し、お金のやりとりを挟むことで、カウチサーフィンのこうしたアバウトさ・不確かさを是正したのが、Airbnb(エアビーアンドビー)と言えます。
3-2-1.無料へのこだわりがないなら、Airbnbのほうが快適&使いやすい。
カウチサーフィンのユーザーには、「無料で泊まりたい層」と「ホームステイ体験を望む層」がいるのですが、無料へのこだわりが大きくない人々にとっては、(1)予約約束を守ってもらえる。(2)一定の寝床クオリティが保たれている。の2つのアドバンテージがあるAirbnb(エアビーアンドビー)のほうが、カウチサーフィンよりも使いやすいのです。
3-2-2.金銭的なメリットとて、なくなったわけではない。
Airbnb(エアビーアンドビー)の場合無料では泊まれませんが、それにしても1,000~2,000円で泊まれる選択肢は多いのですから、金銭的なメリットも(他の宿泊施設に比べて)充分に大きいですね。
3-2-3.「部屋を見つけやすい」というメリットが決定打となり、カウチサーフィンに大差をつける。
そしてAirbnb(エアビーアンドビー)は、(1)予約約束を守ってもらえる。(2)一定の寝床クオリティが保たれている。の2つの特徴により人気・知名度・ユーザー数が爆発的に増えたため、(3)部屋を見つけやすい。という新たなメリットができ、Airbnbはカウチサーフィンに大差をつけて突っ走るようになったのです。
3-3.「ローカル体験」「家庭体験」の度合いはカウチサーフィンのほうが勝る!
しかし、すべての点でAirbnb(エアビーアンドビー)のほうが勝るようになったのかと言えば、そうとも言い切れないのです!
Airbnbは「一般家庭に泊まれる」というのがウリなわけですが、金銭対価の責任がありまた他のホストとの顧客獲得競争があるゆえに、室内設備も接客も、それなりに商業めいている(立派になっている)んですね。「完全な一般民家」とは言えなくなっています。
それに対して、カウチサーフィンのホスト家庭は、「完全に普段着」なのです。「ありのままの一般家庭」なのです。カウチサーフィンのほうが、「ローカル体験」「家庭体験」という点において、Airbnbよりもよりリアリティがあるということですね。
なので、場合によってはAirbnbよりもカウチサーフィンを選んだほうが良いかもしれません。