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民泊不動産投資のメリットとデメリット-1


民泊不動産投資のメリットとデメリット-1

インターネットで「Arbnb(エアビーアンドビー)」や「民泊」について検索していると、「民泊代行業者」なるものが存在していることに、気づきます。

なるほど、短期間のうちに爆発的にAirbnbホストが増えたのは、こうしたシステムの後押しが大きく関与しているのだということが、わかります。


民泊代行業者は使ったほうが良いのでしょうか?使わないほうが良いのでしょうか?

結論から述べますと、「民泊代行業者あまり有意義ではない」といった見解に達します。

民泊代行委託に対して否定寄りな見解を示すサイト・セミナーは少ないでしょうから、あなたは意外に感じたかもしれません。当サイトは、「代行業務を売ることを目的とはしていない」ため、客観的・公平な視点から、メリット/デメリットを語ることができるのです。


かといって民泊代行業者は、一概に「無意味」と一蹴できるものでもありません。

やはりメリット、デメリットがありますので、ホスト(あなた)ご自身の環境や生活などと照らし合わせて、よくよく検討されることをお勧めいたします。


そのための手助けを、このページでは行っていきたいと思います。




1 民泊代行業者を利用した不動産投資のメリットを考える。


1-1. 民泊代行業者は投資型(家主非同居型)ホスト向けに創設された。


そもそも、民泊代行業者はどのような成り立ちをしているのでしょうか。

つい数年前まで、テレビで「Airbnb(エアビーアンドビー)」という言葉が頻出されるようになるまでは、(ほとんど)存在していなかった業種です。

「Airbnbは儲かる!」というような言葉が触れまわりはじめたのと同時期に、この手の業者も増えています。つまり民泊代行業者というものは、投資型(家主非同居型)ホストに向けて、創設されたような業種なのです。



1-2.民泊代行業者の役割…投資型ホストにとっては運営の要。


投資型のホストの場合、他に何かフル勤務の仕事を持っていたり、または他の投資ビジネスのミーティングや調査などで、日々飛び回っていることでしょう。

すると、民泊のゲストに懇切丁寧に対応している暇が無いのです。

こうした多忙なホストとって、民泊代行業者というサポーターは、非常に重要(=メリット多し)と言えます。

むしろ、「民泊代行業者を活用しなければ運営できない」という、アキレス腱になっているホストもいることでしょう。



1-3.物件探しから掃除まで、多様な代行業務。


今や、民泊代行業者が請け負っている代行内容は、非常に多岐に渡ります。

まずは箇条書きにしてみましょう。


1.物件探し

2.内装インテリアのコンサルティング

3.リスティング(物件紹介のぺージ)作成

4.写真撮影

5.ハウスマニュアル作成

6.問い合わせへの返答・カレンダー管理

7.カギの受け渡し

8.掃除

9.トラブル対応


およそ、上記の9タイプに大別されます。

これらの業務を一括で請け負う業者もあれば、1つや2つの業務を専門的に行っている業者もあります。

複数業務を幅広く請け負っていても、その中で必要なものだけをカスタマイズして委託できる業者もあります。

極端な話、投資型のAirbnb(エアビーアンドビー)ホストは、自分では何もしなくても、民泊ビジネスを運営することは可能になってきました。


費用についてはデメリットの項で詳しく述べますが、当然のことながら、多くの作業を委託すればするほど、それだけ委託経費はかさみます。


では、1つ1つの項目について、詳しく掘り下げてみましょう。



1.物件探し

物件探しについては、近年は専門業者への依存度が高まっています。

もともと、民泊利用を許可している賃貸物件がそう多くなかったうえに、こうした代行ビジネスの隆盛に合わせて、「民泊許可物件の囲い込み」という現象が起きています。

そのため、民泊許可物件を見つけるには、専門業者に委託せざるを得ない、と言っても過言ではなくなってきています。

不動産オーナー側も、「Airbnb(エアビーアンドビー)に転用OK」ということが不動産価値を高める(家賃や敷・礼金を上乗せできる)という認識を強めているので、積極的にそうした専門紹介業者と提携する傾向になってきています。これは、ビジネスに敏感な東京や都心ほど、顕著な流れです。


かといって、必ずしもこうした紹介業者を利用しなくても、民泊可能物件を見つけることはできるでしょう。

不動産探しの際、スタッフや家主に尋ねることで判別できますし、昨今は、インターネット上の物件ページにも、民泊利用の可否が記載されていることもあります。


物件探しに関しては、無料で請け負っている業者も少なくありません。しかし、仲介を無料で行う代わりに、業務代行サービスのパックを契約させられたりします。日本ではこのような「無料で釣る」スタイルが氾濫していますが、実情としては、「無料」なのではなく、「パック料金のほうに加算されている」だけです。


2.内装インテリアのコンサルティング

民泊運営可能な物件の調達に合わせて、民泊向きのオシャレな内装・インテリアをデザインする業務もあります。

リスティング一覧から、自分好みのオシャレな部屋を選択しようとするゲストは、実際問題として少なくないでしょう。

高級(高価・高利益)な部屋を運営したいホストほど、内装センスの重要性は大きくなり、専門家委託の意義は強まってくるでしょう。


ただし、家具や小物をチョイスする作業というのは、あまり専門性の高いことではありません。

それなりの見栄えで良いのであれば、自分で出来る人は多いでしょう。


代行料金は、(家具代プラス)5万円といったところから、30万、40万を提示するところもあります。繰り返しますが、家具代とは別途に、5万、30万、40万円です。


また、インテリア・コンサルティングに近いところで、リノベーションを承っている業者もあります。

リノベーションとは、古民家などを大々的にリフォームすることを指します。

古民家は、100万円程度で売りに出されているようなこともありますから、リノベーションに経費を投じても、利益になる可能性はあります。


3.リスティング作成

Airbnb(エアビーアンドビー)の各民泊物件の紹介ページのことを、「リスティング」と言います。

これの作成に関しても、民泊やゲストハウスになじみの薄い人、文章作成の苦手な人などは、戸惑い、悩んでしまうかもしれません。

実際、Airbnbの物件リストを眺めていると、とても簡素で不器用なリスティングに留まってしまっている人が散見します。

「事業には興味があるが、民泊には興味がない」という投資型のホストは特に、リスト作成に戸惑うことでしょう。


そうした場合、てっとり早くまっとうなリスティングを作成するために、専門業者に委託することも選択肢に入れましょう。リスティングは、集客を左右するとても重要なコンテンツです。

しかし、やはりあなたの家・物件・パーソナリティについて最も詳しいのは、あなたに他なりません。たとえ文章や商業が不得手であっても、あなた自身が作成したほうが、魅力的なものを仕上げられる可能性はあります。

ヒントはあります。近隣物件のリスティングを2~3眺めてみれば、ある程度何を書くべきかは、察しがつくことでしょう。他より良いリスティングを書きたいなら、レビューのたくさん付いている人気物件のリスティングをかいつまんで、研究すれば良いのです(それと全く同じに書けば良いということでも無いでしょうが)。


また、中国語やフランス語に対応できる業者も存在するので、そうした顧客層の獲得を図るなら、リスティング作成を代行してもらう価値もありそうです。


なお、リスティング作成の代行代金は、2万円程度が相場となっています。


4.写真撮影

リストのトップ画面、ならびに設備紹介のために、写真を用います。

これは、Airbnbに依頼すると専門の方が来てくれて、撮影をしてもらえます。

手数料がかからないお得なサービスですが、依頼してから撮影まで、かなり待たされるケースが多いです。そのために、「有料でも代行業者」に、というニーズが生じます。


良質なカメラと撮影技術そして編集技術によって、たしかに、目を引くかっこいいリスティングを作ることはできます。

が、物件探しをしているゲストの感覚からすると、あまりにも美しすぎる写真に、ある種の味気なさを感じることがあります。

これは、ホームステイ好きなゲストほど強い傾向で、ある程度シロウトっぽさの残る写真のほうが、「人情的なホストだろうな。人情的な滞在ができそうだな」と感じてもらいやすい傾向にはあるようです。


なお、写真撮影の代行代金は、2万円程度が相場となっています。


5.ハウスマニュアル作成

リスティングと混同される方もおられるかもしれませんが、「ハウスマニュアル」はAirbnb上の紹介ページのことではなく、部屋に置いておく紙のルールブックのことです。

ホテルに泊まった際、センターテーブルやレターデスクのあたりに、クリアファイルなどで作られた小冊子を見た記憶があることでしょう。

チェックインやチェックアウトの時間、喫煙可能な場所、宿泊以外の有料サービスについての広告などが、記載されていますね。

それと同じようなものが、民泊でも必要になります。強制されるものではありませんが、あったほうが親切でしょう。


これについても、何を書いてよいか見当もつかないようであれば、委託してしまったほうが早いかもしれません。

しかし、リスティング同様、あなたの物件のことを最も良く知っているのは、代行業者ではなくあなたです。


なお、ハウスマニュアル作成の代行代金は、2万円程度が相場となっています。


6.問い合わせへの返答・カレンダー管理

Airbnbが他のホテル検索サイトと最も異なる点は、この、「問い合わせへの対応」かもしれません。

他のホテル検索サイトは、ゲスト側がある程度その宿泊施設を気に入れば、一方的に予約を完了させることができます。文章(メール)を書いて問い合わせすることは、ほとんどありません。

しかしAirbnbの場合、あるゲストが宿泊するか否かの最終決定権は、「ホスト側」にあるのです。ホストが設定を変更しない限り、ゲストは勝手に予約を完了させることはできません。


多くの場合ゲストは、ホストに対してあいさつや質問のメールをします。

「飛行機の関係で、チェックインが早朝になってしまうのですが、だいじょうぶでしょうか?」といった具合です。

体感ですが、少ないゲストですと5~6通程度、質問の多いゲストですと20通にも達することがあります。だいたいどのホストもこの程度の数字になっているようです。

すばやく返信しないと物件評価が下がってしまうし、ゲストが他の物件に流れてしまうので、ホストはこの「問い合わせ対応」というものに、思いのほか神経と時間をすり減らします。

外国人ゲストの場合、英語での返答が必要ですから、なおさら大変です。


副業がてらに運営する人、多忙な人、英語の苦手な人、民泊に疎い人などは、代行業者の利用を検討する余地はあるでしょう。

しかし、この作業は、慣れとともにストレスは減りますし、対応にかかる時間や労力も減っていきます。夫婦のうちどちらかが在宅中心の生活を送っているなら、充分に自力で対応できるものと言えます。


また、これもリスティング作成と同様で、中国語やフランス語にまで対応できる業者も存在するので、そうした顧客層の獲得を図るなら、代行業者を利用する価値もありそうです。


なお、問い合わせ対応の代行代金は、月額売り上げ金額の10パーセント程度に設定している業者が多いです。または、月額1万円程度の固定性ですが、対応量の多い物件の場合は、やはりそれなりの額になるでしょう。


7.カギの受け渡し

これもまさに、家主不在型ホストに向けたサービスです。

ゲストにカギを渡し、さらに、一般的には設備説明までを代行するでしょう。

以前は、カギを郵便ポストなどに入れておき、ゲストに自分で開けてもらうような手段もありましたが、日本の場合、ルール改正により、直接の手渡しが必要になります。


家主同居型のホストには、やはりあまり必要性のないサービスです。

ときには買い物などで家を空けてしまうこともあるでしょうが、そのためにわざわざ代行業者に委託する必要はありません。

ゲストに、「用事で外出するため、19時以降にお越しください」などとお願いすれば、ゲストがそれに応じてくれます。民泊の場合、常に受付対応をしなければならないわけでは、ないのです。


なお、カギ受け渡しの代行代金は、2~3,000円程度が相場となっています。清掃代行とセットで5,000円、といったプランも多く見かけます。


8.掃除

ゲストがチェックアウトしたならば、次のゲストの来場があるまでに、物件の掃除をしなくてはなりません。

自宅をシェアする民泊ですから、リビングに子供のくつ下が転がっている程度のものは問題ありませんが、ゲストルームの掃除やシーツ交換あたりは、必須です。

こうした作業も、家主不在型のホストの場合、有料でも代行業者に委託する必要性が出てくるでしょう。


なお、清掃の代行代金は、3~5,000円程度が相場となっています。どの範囲まで掃除してもらえるのか、きちんと確認しましょう。大掃除をしてくれるわけではありませんから、時々は別途、窓拭きや換気扇清掃、洗濯機のカビ取りなども行わなくてはなりません。


9.トラブル対応

最近は、トラブルへの対応代行まで請け負う業者が登場しています。いわば、クレーム処理を肩代わりしてくれるのです。

たしかに、業務のほとんどを代行業者に委託しているホストは、ゲストからクレームを受けても、対応することができないでしょう。トラブルの際だけ顔を出すというのは、実情として難しい話ですから、必要性はある業務なのでしょう。


なお、トラブル対応の代行代金は、複合パッケージの中に含まれているのが通常です。見ず知らずの物件に対して、トラブル対応だけをやりに行くようなことは、どの業者も行わないでしょう。


その他

豆知識のような話になりますが、民泊運営に関する作業を代行してもらうにあたって、対象になるのは民泊代行業者だけではありません。

家事代行業者というものが昔から存在しており、こちらは1時間2,000円程度で、家事全般を委託できます。

内装コンサルティングやトラブル対応を委託するわけにはいきませんが、清掃作業程度ならば、利用場面があるかもしれません。


以上、代行業者が請け負っている種々の業務において、メリットの観点を中心に、詳しく解説してみました。

家主不在型のホストにとっては、やはり存在意義がとても高いと言うことができるでしょう。

反面、家主同居型のホストにとっては、わざわざお金を払って委託する必要性は低そうです。



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