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民泊不動産投資で外国人・観光客を受け入れる具体的なやり方!-3


3 必要なリフォーム、不要なリフォーム。


家具家電よりも大掛かりになるリフォームについては、別トピックを設けましょう。


テレビなど見ていると、「古民家をリフォームをして民泊に!」といった話題が少なくありません。飽和する空き家対策として、リフォームして事業を起こす動きはたしかにあちこちでありますが、あなたにとって「古民家再生」ではなく「民泊チャレンジ」が主旨なのであれば、必ずしもリフォームを入れる必要はないかもしれません。


3-1.家が古い?外国人には「日本家屋」がウリになる!


地繋ぎのLDKなどなく、部屋はもっぱら畳の和室ばかり、壁は触るとポロポロ粉が落ちてくる砂壁で…。と、ひと昔(二昔?三昔?)前の日本でよく見られた古い日本家屋。まず畳の部屋という時点で、平成の時代からするとダサい感じがしますよね。しかし、特にAirbnb(エアビーアンドビー)民泊や農業(体験)民泊を営むつもりなら、そうした内装を現代風にリフォームする必要はあまりありません。


というのも、畳や掘りごたつ、床の間、ふすま、障子、座布団といった日本家屋の雰囲気は、外国人から見ればとても魅力的に映っているのですよ!「ジャパンに来た甲斐があった!」と、むしろ喜ばれるくらいです。体験民泊の場合も、古風な環境に興味を持って選択してきている可能性が高く、現代風でないほうが喜ばれる傾向にあります。


3-2.トイレや浴室が古いのはNG!それはリフォームしたほうが良いかも。


しかし、こと水回りに関しては話は別!トイレが和式であったり、浴室がシャワーノズルの無いような古風なものであったり、シャワー式でも汚く黒ずんでいたりするなら、それは宿泊客からの受けが著しく悪いので、リフォームを積極的に検討しましょう。


古民家をウリにするようなコンセプトであっても、囲炉裏があったり江戸時代の建物を転用するようなものであってもなお、水回りだけは新しく清潔にしつらえたほうが良いです。外国人だけでなく、日本人も若年層を中心に、古い水回りに大きな抵抗・不快感を示す傾向にあります。



4 許可申請って必要なの?


さて、話が少し難しくなってきますが、大切なことですから頑張って読んでくださいね!あまり難解にならないように、シンプルに解説しましょう。


4-1.日本の民泊のほとんどは、無許可で運営されている。


実情として、日本において民泊は、ほとんどが無許可で営まれています。本来は旅館業法の簡易宿所規約を満たさなければならないのですが、トピック≪簡易宿所規約に則って営業しようと思うなら、とても大変!≫で少し触れたように、簡易宿所の規定を満たすのは非常に困難であることが、無許可民泊蔓延の原因と言えるでしょう。


4-2.国家戦略特区には別の規約があるが、それも実質的には無法地帯…。


簡易宿所の規定を民泊で満たすことが難しいのは、日本政府も承知しています。それでもホテル不足解消の特効薬として民泊に期待を寄せている日本政府は、「国家戦略特区」という地域を定め、従来の旅館業法よりもゆるい規定で民泊が営めるように、法律の制定を急いでいます。


「急いでいます」と表現しましたが、まだ確約されていないのです!民泊は現在、毎月のように新しい規制(緩和)案が発表されては、却下されたり変更されたりと不明瞭な状態が続いています。この曖昧な状態は、2017年いっぱいくらいまでは続くかもしれません。


国家戦略特区法案では、従来の宿泊施設に必須であったチェックインカウンターの撤廃や、専有面積の規制緩和などが為されましたが、それでも自治体に申請を出して営業する民泊オーナーはほとんど増えていないのが実情です。


4-3.訴えてくるのは行政よりもマンションの管理組合(住民)!?


というわけで、とにかく、民泊を営むにあたって行政に許可申請を取ろうと考える必要性はあまりありません。しかし、全くの無許可で営業して良いというわけではないのです!


というのも、昨今、マンションなどの集合住宅の管理組合に、民泊を明確に禁止するところが多くなっています。仮に管理組合に無許可なまま民泊の営業を行い、管理組合にばれてしまった場合、大変なことに!営業停止勧告を受けてしまうのはもちろんのこと、ホスト自体が立ち退きを命ぜられたり、それも「即刻出ていくように!」という重く辛い処罰に発展するケースも。これは恐ろしいですね…。


4-4.賃貸物件なら、物件の大家さんにも許可を取る必要がある。


たとえばあなたのお住まいが賃貸マンションであるなら、マンションの管理組合だけでなく、そのマンション物件の大家さんにも、民泊経営の許可を取る必要がありますから、注意が必要です。借りている不動産をさらに他人に貸すことを「転貸」と呼びますが、ほとんどの大家さんが、この転貸を禁止しています。


4-5.転貸OKの物件を見つけたとしても、今度はマンションの管理組合が立ちはだかる!


Airbnb(エアビーアンドビー)民泊が新しいビジネスとして盛況しているゆえ、これを商機と見て、転貸をOKとする大家さんが増えてきてはいます。「民泊許可物件」とでも検索を掛ければ、転貸可能物件ばかりを集めた不動産仲介サイトが幾つもヒットするでしょう。


こうしたサイトを利用すれば、民泊可能な物件を見つけることは難しくありません。すなわち「大家さんの許可は得られた」わけなのですが、かといってマンションなど集合住宅の管理組合からの許可を得られたわけではないのです!必ず、大家さんだけでなく、そのマンションの管理組合に問い合わせ、民泊可能かを確認してください。


4-6.マンション管理組合の意向は天気のごとく簡単に変わるので要注意!


仮に、大家さんからもマンション管理組合からも民泊の許可が得られたとしましょうか。それでもまだ、安心はできません!


というのも、マンション管理組合の規約は、マンション住民のクレームや意向次第で簡単に変わってしまうおそれがあるのです!


ですから、民泊を営むために新たに不動産を借りようと考えているなら、くれぐれも注意してください!100万円以上も掛けて家具家電を購入したり敷金礼金を払ったとしても、翌月には「民泊禁止!」とマンションから通告される可能性があることを、肝に銘じておきましょう。


4-7.民泊代行業者の言う「許可取得代行は任せて」はアテにならない!


民泊を正規に行うためにはたくさんの許可が必要であり、それを取得するのが難しいことはおわかりいただけましたね?すると民泊業者は、「私たちが難しい許可取得を代行しますのでお任せください!」とあなたに営業を掛けてきます。彼らに委ねれば安泰なのだと思い込んでしまう参入者は多いのですが、決してそんなことはありません!


繰り返しますが、民泊に関しては、法律がころころ変わっているだけでなく、世論が非常に厳しい目を向けています。そのため、一時的に許可を取得できたとしても、その認可は1ヵ月後にはもう無効となってしまう危険性を、常にはらんでいるのです!


民泊代行業者は「取得」を請け負いますが、「継続」を保証してはくれませんから、取得代行や民泊準備に費やした費用は、無駄になってしまう可能性があります。それでも民泊代行業者は謝罪をしてくれませんし、返金もしてはくれません。あなただけが、借金を背負い途方に暮れることになってしまうのです…。



5 やっぱり気になる!民泊不動産投資の収入はどのくらい?


さて、民泊のやり方については一通りご案内しました。しかし、もう1つ気になっていることがあるのでは?そう。民泊運営で得られる収入についてです。収入についてのリアルを、最後にお話ししましょう。


5-1.Airbnbを使った投資型民泊は、実情は月収10万円も厳しいかも?


ノウハウサイトでは「月収200万円!」「10万円が30万円!」と謳うのですが、それは「過去の一例」に過ぎず、まったくもってリアルな数字ではないことをご存じですか?


まず第一に、ほとんどの地域で民泊は供給過多に陥っており、月の収益が200万円にも達するような民泊は、ほとんど皆無と言ってよいほどありません。


次に、「10万円の物件が30万円に」は実現可能なように見えますが、これも非常に厳しいと考えて下さい。「15,000円で貸せば月20日しか予約が入らなくても30万!」と算段を立てるかもしれませんが、10,000円の物件でさえも、月に20日も稼働しないところが多くなってきています。年末年始や夏休みは繁盛するかもしれませんが、それ以外の時期は想像以上に厳しいです。


さらに言えば、たとえ30万円の宿泊収入が得られたとしても、あなたは経費を払わなくてはなりません。民泊代行業者に1/3ほどの額を払い、不動産大家に10万円を払い、光熱費や通信費、家具家電のローンを払うと…?あなたの手元にいくら残るでしょうか?


5-2.Airbnbを使ったホームステイ型民泊は、月収3~50,000円くらい。


同じくAirbnb(エアビーアンドビー)を集客窓口に使い、自宅の一室を提供した場合はどうでしょうか?このような、いわゆるホームステイ型民泊の場合、月収30,000~50,000円くらいに収まることが多いでしょう。値崩れがどんどん進んでいるので、50,000円もなかなか厳しいかもしれません。


ただし、ホームステイ型民泊の場合、毎月のランニングコストがほとんどゼロと言えるほどに掛かりませんし、準備に関する費用もほとんど掛かっていないはずです。そのため、大きな赤字に陥ることはまずありません。


5-3.農家民泊は、単価は大きいがトータルはそう期待できない。


農家民泊の場合、1人1泊あたり5,000~7,000円くらいの値が付けられます。Airbnb(エアビーアンドビー)で貸すよりも単価は大きいですが、利用者数はあまり伸びないかもしれません。学校の修学旅行生の請け負いなど、大口の提携が取れれば月収数十万も可能ですが、そうでなければやはり、月収数万円が期待値と言えます。こちらも、支出は少ないはずなので、赤字に陥る心配はあまり無さそうです。


5-4.留学生系のホームステイは、報酬の出ないところもある!


昔からある留学生系のホームステイはどうでしょう?これについては、仲介する機関によって報酬がまちまちです。「1泊2食の提供で3,000円」くらいがベースで、1週間や1ヵ月単位だともう少し安くなってしまいます。


また、報酬を出していない機関も少なくありませんから、仲介機関を決める際は、きちんと報酬額について確認を取りましょう。とはいえ、「報酬など要らないわ」という人も、留学生系のホストファミリーには少なくないようですね。

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