4 海外の民泊事情はどうなっているの?
首都でのホストの数も減りはじめ、大衆の風当たりも強くなりはじめている日本のAirbnb(エアビーアンドビー)業界。ところで、海外のエアビーアンドビー事情はどうなっているのでしょう?
4-1.フランスのパリは日本と同じような社会問題に!
フランスのパリでは、日本と同じようにAirbnb(エアビーアンドビー)が深刻な社会問題を起こしはじめています。
というのも、世界でも有数の観光都市パリでもやはり、民泊経営で収入を得ようと企むにわか起業家が増え、彼らがパリの不動産を占領してしまっているのだとか。これにより、生活のために家を借りたいと思っている人が家を見つけられず、大問題になっているのです。
4-2.しかし多くの都市ではあまり問題にはなっていない。
日本やパリに限らずどこの都市でも同じことだろうと思いきや、案外そうでもありません。観光客が多いのは欧米の首都や有名都市でも同じことですが、しかしAirbnb(エアビーアンドビー)民泊はあまり大きな問題にはならず、大衆の支持を拡大し続けています。
日本やパリとその他の街との違いは何でしょうか?それは、日本やパリが利益重視の投機型民泊ばかりであることに対して、その他の地域では良心的なホームステイ型民泊が主流なのです。
ホームステイ型民泊ではあまりトラブルも起きませんし、他人の不動産を圧迫することもなければ、赤字に苦しむホストが続出するような惨事にもならないため、民泊の良い面が発揮されています。
4-3.日数規制が設けられてもへっちゃらなのは、ホームステイ型民泊が主流だから。
海外には、「年間180日まで」などと民泊の経営日数が制限されている地域がたくさんあります。それでも赤字に苦しむホストが続出したりはしていないのですが、なぜかと言えば、ホームステイ型民泊のホストが多いため。経費があまりかかっていないゆえ、営業日数が少なくても赤字に陥ることはないのです。
家を丸々貸し出す物件も少なくありませんが、その場合も日本のものとは大きく異なります。欧米人は、夏休みなどに長期休暇をまとめて取って長期バカンスに繰り出す人々が多く、その長期休暇中に空いた家を、「どうせなら使いたい人に活用してもらおう」といった趣で貸しに出しているのです。日本で主流の投機型民泊とは違いますね。
4-4.日本に民泊が定着するか否かのカギは、シェアリングエコノミーの理解。
日本の民泊とはずいぶん雰囲気が異なることが、おわかりいただけたでしょうか?
民泊とは本来、「空いているスペースをついでに貸す」といったニュアンスのものであり、シェアリングエコノミーという言葉も、本来はそのような意味のローリスクかつWin-Win(両者が得をすること)な概念のものなのです。
そのような良心的なホストが増えていけば、日本も民泊文化が活性していくでしょう。しかし、利益のために空き家を借りてきて無人で営むようなホストが大多数を占め続けるならば、トラブルは増え、赤字に陥るホストも増え、民泊は誰からも忌み嫌われるものになってしまいかねません…。
あなたは、どんな民泊ライフを送りたいですか?