top of page

溺愛と依存の関連性。あの子が甘えん坊なのはなぜ?


この記事は一見すると、不登校の子を持つ「親御さん」向けの内容です。

しかし、不登校当事者の子にも当てはまるかもしれません。


子供が、「お母さん明日も朝起こしてね」などと、年頃になっても依存的で頼りなく、困っている親御さんがいるでしょう。

こうした頼りなさは、「子供の個性」だと思っている人が多いようなのですが、親御さんの育て方・しつけ方に大きく影響されていることが多いものなのです。



甘やかすと、甘える。

非常に端的に言うと、人というのは「甘やかすと、甘える」のです。「過保護に育てると、依存的な子になる」のです。

子が幼稚園生になってもまだ親御さんが、夕食の食器を運び、片付けも皿洗いもし・・・と過保護にしていると、子は「親にやってもらうのがアタリマエ」という観念が染みつきます。

こうした子は、親が何かしてくれてもありがとうを言わないばかりか、「なんで〇〇してくれないんだよ!」と偉そうに怒る(不機嫌になる)ようになります。

自分でするのがアタリマエのことをやらされると、「ったく!」「めんどくせぇ」などと不機嫌になり、逆切れをします。

そして感情を荒げますし、身の回りのことを他人にやらせようと仕向け続けます。


こうした子に手を焼くのですが、実はそれは親御さんが「そのように育ててしまった」ことが多いのです・・・。



「べたべたとくっついてくる」のも同じ。

「甘え」というものには、2つの種類があります。

1つは、上記トピックのように「自分のことを他人にやってもらおうとすること」です。

そしてもう1つが、「べたべたとくっついてくること」です。

3歳になっても「ママ一緒に寝よう」と甘えたり、「消しゴムを買いにいきたいの。ママ一緒についてきて」と言ってきたりすることです。


こうした「一緒にいたがる」「付き添ってほしがる」のも、親御さんの育て方が大きく影響します。親御さんの中には、自分のさみしさやぬくもり欲求を埋めるために子を添い寝させたり、一緒に連れまわしたりする人がいます。つまり「溺愛」です。

親が「溺愛」すると、子は「依存的な子」になりやすいのです。

こうした子は、生活の中で親の付き添いを求めて手間がかかるだけでなく、小学校入学、中学校入学など環境が大きく変わるときに、大きく恐れて不登校や情緒不安定に陥りやすくなります・・・。


不登校の家庭には、こうした「過保護」「溺愛」の家庭が多いです。

こうした問題は、親御さんが「自立のためのしつけ」を重ねていかないと、改善は難しいです。



ペットが甘えんぼすぎて困っていたりしない?

さて、こうした問題は「親御さんの悩み」のように見えますが、不登校のお子さん当事者にも似たような問題が降りかかることがあります。どういうことでしょう?


あなたがお子さんであるとして・・・たとえば、ペットが甘えんぼすぎて勉強や楽器練習のジャマばかりしてきて、困っていませんか?

ペットを一人で留守番させると「くぅーん、くぅーん」と悲しそうに泣き続けるので、泊りがけの旅行も出来ずに困っていませんか?


こうした「ペットの依存性質」も、飼い主の飼い方に大きく影響されます。

「かわいいね♡」「温かいね♡」といつもいつも抱きしめてばかりいると、ペットは「ぬくもり依存」になります。とても甘えん坊になるのです。「遊んで」「なでて」とすぐ甘えてきます。

無視をすると「ガルルル!」と怒りだします。

「飼い主の溺愛がないと暮らせないペット」になってしまうのです・・・。


ペットをなでてはいけないわけではないのですが、それが過剰だとペットは依存気質になって家族を困らせます・・・。



恋人や友達が依存的で困っていたりしない?

そして、「甘えられすぎて困る」という問題は、ペットだけでなく恋人や友達との間でも起こってしまうのですね。

「毎晩のように電話してきて、何時間もおしゃべりに付き合わされる」「同じグチを延々と聞かされる」といった過剰な頼られは、その人に対して甘やかしすぎた・過保護にしすぎたことで、起きてしまうことが多いのです。



動物も人も、相手を見て行動を変える。

依存的な人やペットを見たとき、「誰かがかまってあげないとかわいそう!」と感じてしまいます。

しかし、そのペットは、誰に対しても「くぅーん、くぅーん」と泣きつくわけではないでしょう。「自分を甘やかしてくれそうな人」に訴えかけるのです。いつもご飯やホネホネお菓子をくれる人をターゲットにして、甘えてくるのです。

同じ家に住んでいても、ホネホネお菓子をくれない人には過剰に甘えたりしないでしょう。甘えた声を出してもムダなことがわかっているのです。

これは人も同じで、「友達のA子ちゃん」には毎晩のように泣きついても、それ以外の人にはウジウジしないのです。


「過剰に甘やかしてしまうこと」によって、甘えを生んでしまうのですね・・・。



愛情と静観のバランス。優しさと厳しさのバランス。

養育についても、友情についても、恋愛についても同じことが言えます。

淡泊でサバサバとするのが良いことというわけでもありません。愛情深さや優しさは、とても大切なこと!

でも、冷静に状況を見ながら、「それは自分でやりなさいね」と突き放したり、「名残りおしいけど終電で帰ろうね」と距離を置くことも大切なのです。



いかがでしたか?

優しさや愛情は大切なことです。

でも、甘やかすばかりではだめなのですね。

ペットがかわいいとしても、そのぬくもりが気持ちいいとしても、ずっと抱きしめていてはだめなのです。

恋人がかわいいとしてもカッコイイとしても、溺愛してはだめなのです。


どれくらい抱きしめてどれくらい突き放すのが良いのか?そのバランスは、言葉で簡単に説明できるものではなさそうです。人生体験の中で、さじ加減を学んでいくしかないですね。


Comentários


bottom of page