2 伊江島農家民泊を修学旅行に検討する際の注意ポイント。
伊江島での農家民泊を修学旅行のコンテンツに検討するなら、いくつか注意ポイントがあります。「評判だからウチも!」などと安易に即決することは控えましょう。
(1)予約は数年先まで埋まりがち!修学旅行の時期をずらすことも検討して。
(2)農家民泊は賛否両論!生徒や保護者の説得が必要かもしれない。
(3)ガラのよくない学校は、農家民泊は控えたほうが良いかも?
2-(1).予約は数年先まで埋まりがち!修学旅行の時期をずらすことも検討して。
体験した学校からのクチコミがクチコミを呼び、伊江島の農家民泊は日本でも有数の人気を誇っています。また、沖縄離島では他にも伊是島や伊平島で農家民泊が行われていますが、いずれにせよ日本最高のビーチリゾートと風土色豊かな農家民泊が堪能できるとあって、数年先まで予約で埋まっているような状況!
どうしても伊江島や沖縄での農家民泊を望むなら、修学旅行の時期をずらすことも検討しましょう。沖縄は暖かく、年中課外活動が可能ですし、真冬以外は水着のみで海に入ることも可能ですから、日程選択の幅は広いです。
(2)農家民泊は賛否両論!生徒や保護者の説得が必要かもしれない。
農家民泊は、実際に体験した学校・生徒からはすこぶる評判が良いのですが、前評判はいまいちよくありません。
1つは、「民泊」というものに対しての懸念。「他人の家に泊まるなんて・・・」「宿泊のシロウトでしょう?」といったもの。これは、生徒からも保護者からも上がる声です。Airbnb(エアビーアンドビー)の隆盛が、日本の場合は民泊の印象を悪くしてしまったきらいがありますが、農家民泊はAirbnb民泊とはまったく毛色の異なるもので、ホストが原因の犯罪やトラブルはまずありません。統括団体がしっかりと教育やフォローアップを行っており、接客の質はかなり高いです。ましてや伊江島は農家民泊の先駆けであり日本トップクラスの人気を誇っていますから、こうした説明をすれば納得を得るのは難しくはないでしょう。
もう1つが、「民泊なんてダサい!農業なんてダサい!」といったもの。これはもっぱら生徒からの懸念です。この懸念を解消する手段としては、体験した学校の生徒たちの感想ノートのようなものを貸してもらい、生徒たちに読ませると良いです。近隣の学校のものであればあるほど親近感がわきやすいでしょう。または、美ら海美術館やリゾートホテル泊といった現代的なコンテンツと組み合わせることで、万が一農家民泊を好きになれない生徒にも、満足感を与えやすくなります。
(3)ガラのよくない学校は、農家民泊は控えたほうが良いかも?
農家民泊を体験する生徒は、おおむねマナーが良いようです。しかし、ガラのよくない生徒は農家民泊のような体験を毛嫌いし、反抗的な行動をとったり、設備の破損や喫煙など、民泊家庭に大きな迷惑をかけてしまう傾向が・・・。
〇 田舎体験に興味のある都会の学校→農家民泊に適している。
× 田舎体験を毛嫌いする都会の学校→農家民泊に適さない。
〇 田舎体験に親近感のある田舎の学校→農家民泊に適している。
× 田舎体験に飽き飽きしている田舎の学校→農家民泊に適さない。
大まかに言えばこのような傾向があり、あなたの学校の生徒たちがどのような趣向を持っているかによって、農家民泊への適正を推測してください。
3 実態を知ろう!伊江島農家民泊を体験した生徒たちのリアルな声。
紙面の関係から少数ではありますが、伊江島民泊を体験した生徒たちの感想文を掲載します。
F高校 第38期生 2年1組 Y.Uさん
4日間沖縄に行って感じたことは、時間の感覚がゆるやかなことです。大阪にいる間では感じられない自然の豊かさや周り一面見渡すことのできる風景など、数えきれないほど美しい風景を見ました。
1日目の民泊では沖縄の人の暖かさに触れました。はじめは民泊なんて怖いなと思っていたけれど、時間が流れるにつれて、緊張がほぐれていきました。大阪には売っていない商品を見てはしゃいでいると、あとでこっそり買ってくれていたり、貝殻で作るキーホルダーの作り方を丁寧に教えてくれたり、私たちの思い出に残ることをたくさんしてくれました。奥さんが作ってくれる料理はどれもおいしくて、毎食おなかいっぱいになりました。私たちが大阪に帰っても作れるよう、サーターアンダギーの作り方を実際に作りながら教えていただきました。うまく丸くなるようにするには手をほどよく濡らすとよいということや、油をできるだけ切るには、揚げたときにできる割れ目を下にすると良いなど、本当に繊細なことまで教えていただきました。
島の観光にも連れていってもらい、Uさんの優しさに気づきました。自分は腰が痛くて登ることができないのに、伊江島の真ん中にある山に登らせてくれました。上から見る伊江島は想像していたよりも小さくて、驚きました。他にも、海などたくさん連れていってくれました。すごく優しくしていただいて、伊江島から離れるときすごく悲しかったです。機会があれば、もう一度お会いしたいです。
F高校 第38期生 2年3組 Y.Uくん
沖縄へ修学旅行へ行って、まず一番心に残ったことは、「全員で楽しめた」ということだ。一緒になってご飯を食べたり、夜をともにしたり、4日間でとても良い思い出を作ることができた。民泊で泊めてくださった方々には色々なところへ連れていってもらったり、美味しい食事を用意してもらったりと、本当に良い体験をさせていただいた。そのほか、僕たちが楽しめるように修学旅行委員会が色々なことを考えてくれて、自分の周りの人々の思いが今回の修学旅行を成功させてくれたのではないかと思う。
沖縄の人たちの暖かさ、島の風景など、忘れることのできないものばかりで、もう一度会いたい、行きたいと思えるような場所だった。
(後略)