top of page

空き家を宿泊施設として投資・経営するメリットは?-5


3-5.ビジネス色の薄い施設は、咎められることが少ない。


無許可にもかかわらず営業停止に追いやられないゲストハウスやシェアハウスの特徴は、「ビジネス色が薄い」ということに尽きます。どこも、1泊2,000円程度の安い料金しか取らず、オーナー家族がなんとか生活できる程度の収入しか得ていないのです。そのような慎ましい宿泊施設では、宿泊客からも近隣住民からもクレームが入ることは少なく、営業停止には追い込まれません。


これはAirbnb(エアビーアンドビー)でも同様な傾向があり、投機的なオーナーの経営する家主不在型民泊ばかりが、通報の対象となっています。


3-6.小規模宿泊施設を経営するなら、1泊2,000円程度のつもりで。


(日本であれば)地域によらず、1泊2,000円までの宿泊施設に対して消費者は、「良心的な価格だな」と感じます。設備やサービスが粗末であるとしても、もちろん空き家を再生したような古めかしい建物であっても、あまり文句は出ません。


たとえば日本の地方には、再生した古民家で、自給自足のような取り組みをしながら生活するシェアハウスが増えてきています。こうしたところでは、宿泊客に建物の改装を手伝ってもらったりしていますが、それでも宿泊客から不満は出ないのです。これは、その改装作業が「人件費の節約」という卑しいものではなく、「自給自足への取り組み」を意図しているため。そのような活動に興味の強い人が、こうした値段・こうしたタイプの宿泊施設には集まりやすいので、クレームのような話にはなりません。


3-7.「儲ける」ではなく「活用する」「助け合う」がシェアリングエコノミーの真意。


つまり、何らかの人道的なコンセプトを持っている、または宿泊客に対して奉仕的な

精神を持っている施設は、旅館業法の許可が取れなくても成功しています。空き家は無事に活用され、オーナーも寝食を保っていられているのです。


実は、「シェアリングエコノミー」という昨今ちらほら耳にする言葉が、本来はこうしたもののことなのですが、ご存じでしたか?


日本の場合、シェアリングエコノミーは、「手持ちぶたさなモノ・空間・サービスで効率よく儲けよう」というビジネスの新形態として認識されているケースが多いのですが、起源である欧米諸国では、ビジネスというよりも「価値観」のことであり、「儲けよう」ではなく「儲けなくても暮らせる方法を考えよう」「助け合うことで必要なモノやサービスを安価にまかなおう」といった精神的スタンスのことなのです!


3-8.「どのように社会貢献するか」を考えよう。


ですから、空き家を改装して小規模宿泊施設を運営しようと目論むなら、「どのように社会貢献するか」を考えると良いでしょう。困っている人や、何かに取り組もうとしている人の助力になるような施設にするのです。


たとえば、安宿のない地域に1泊2,000円程度のゲストハウスを造るのは、社会貢献の1つと言えます。個室が1ヵ月50,000円以下のシェアハウスも、同じような貢献ができるでしょう。


他には、古い空き家の多い地方の場合、Iターン希望者が移住の模擬体験をするための、家庭的で安価な宿泊施設を提供するというのも有意義なアイデアです。このようなものの場合、地方自治体や移住者誘致活動のNPO団体などに掛け合うと、強力なバックアップが得られるかもしれませんね!社会貢献的な意図で営む場合、近隣住民からの理解や協力もとても得やすいです。

bottom of page