大きなお金の問題なのに、知らないままの人も多いのではないでしょうか?
老人ホームを比較検討していると、「入居一時金」という初期費用のかかるものも多く見かけます。賃貸アパートにおける敷礼金のようなもので、毎月の居住費用とは別でかかります。
そして、この入居一時金には1,000万円を超えるような超高額なものも見受けられます。
「こんなに大きな金額を払うのに、途中で退去したくなったらどうしよう?」と不安になり、回避してしまう人もいそうです。
老人ホームの入居一時金は退去のときに割合で戻ってくる!
この老人ホームの入居一時金は、決して掛け捨てではありません。
たとえば入居から1年が経ち、家族の引越しの都合でそこを出なければならなくなった場合、入居金の何割かが返還されます。
初期償却と償却期間。
老人ホームを検索するときのスペック表には記載されていないことが多いのですが、一時入居金を取る老人ホームには、「初期償却」と「償却期間」という数字が設定されています。
「償却期間」を先に話しましょう。
償却期間は、5年ほどで設定されていることが多いです。「一時入居金で支払った額を、5年間で償却する」という意味の数字です。
不動産の減価償却に似たものですね。
「初期償却」は、入居した時点で無条件に償却してしまう金額のことです。「20%」などとパーセンテージで設定されていることが多いです。
1年で退去するとしたら、幾ら還ってくる?
具体的な数字で例を出してみましょう。
一時入居金:1,000万円
初期償却:20%
償却期間:5年(60か月)
といった老人ホームに入居したとします。
1年(12か月)で退去するとしたら、幾ら返金してもらえるのでしょうか?
初期償却は1,000万円×20%=200万円 残り800万円
償却期間5年(60か月)のうちの1年(12か月)分を償却したので、
800万円×1/5=160万円
800万円-160万円=640万円
1,000万円のうち640万円は返還してもらえます。
このお金を活用して、また新たな老人ホームに入居することが出来ますね。
一時入居金を取らない老人ホームのほうがお得なのか?
老人ホームの中には、一時入居金を設けているところと設けていないところがありますね。
一時入居金を設けていないところのほうが安くお得なように思えますが、そうとはかぎりません!
一時入居金が無い場合、その代わりに毎月の利用料金が割り増しになっている施設が多いです。
要は一括で払うか月賦で払うか、といった概念にすぎず、一時入居金が0だからといって総額が安いとはかぎりません。