親に認知症の疑いが出始めたとき、しかるべき認定を貰ったりグループホームの入居許可を貰ったりするには、認知症の診断を受けていることが必要になります。
しかし「認知症の診断を受けてほしい」と進言しても「嫌だ!その必要はない!」と突っぱねられ、手を焼いてしまう家庭も少なくありません・・・。
押してダメなら引いてみよう。
正攻法で「認知症の診断を受けて」と進言しても聞き入れてくれないときや、元々の性格から認知症の診断を突っぱねそうなときは、無骨に攻めるのはやめて遠まわしな方法を検討しましょう。
先人たちが試みてきた様々なアイデアがあります。
「一緒に健康診断を受けよう」と誘ってみる。
「認知症の検査」ではなく、その言葉は出さずに「一緒に健康診断を受けてみようよ」と誘うと良いです。身体全般の健康診断を受ける中でついでに認知症の検査も組み込んでもらうことで、言い争うことなく認知症検査が受けられます。
また「一緒に受けよう」と誘うことで、乗り気になりやすい親御さんも多くいます。
このとき、健診機関のほうには、あらかじめ事情を説明します。「本当は親に認知症検査を受けさせたい。抗うから健康診断として誘っている。認知症診断の言葉を出さずにそっと進めてほしい。親を不安にさせたくないので私と一緒に受けられるようにしてほしい」という具合に。
事情を説明することで、状況を汲んで調整してくれる機関は多いです。
友達や近所の方に誘ってもらう。
親御さんと同じように、老い、病気、認知症の心配を抱えはじめる友人やご近所さんがいるでしょう。
その方にお願いをして、「うちの親に認知症の検査を誘ってもらえませんか」とお願いしてみます。上記トピックのように、認知症検査ではなく「健康診断」でもよいですね。
家族から言われると強い抵抗感を抱いても、友人や知人から言われることでスムーズに受け入れられる人もいます。
病院ではない機関に誘ってみる。
「病院」という場所をそもそも嫌ったり、抵抗感を抱く人も多いものです。
すると、まずは病院ではなく市役所や保健所などに、認知症のことについて相談に行くことを提案してみましょう。
この場合、当該の市役所や保健所が認知症の相談に応じているかどうかをあらかじめ確認しておく必要があります。
半年くらいかかってしまう家庭が多い。
「認知症かも」と感じ始めて、要介護者に認知症検査を勧めはじめてから、実際に認知症検査に至るまでに半年くらいもかかってしまう家庭が多いです。
それでよいというわけではなく、出来るだけ早く診断を貰って対処をしたほうがよいのですが、「多くの家庭でてこずっていることなんだな」と知ることで、あなたやご家族は安心するのでないでしょうか?
焦らず、気負い過ぎずに進めていきましょう。