在宅介護を続けていると、電動ベッドなどの介護用品(福祉用品)が必要だと感じるようになってきます。介護保険を使えばとても安くレンタル・購入することが出来そうですが、ではレンタルをするのと購入するのとでは、どちらが安いのでしょうか?どちらがお得になるでしょうか?
3年が目安。3年以上使う用なら購入が安くなりそう。
商品にもよりけりですが、大体の目安として、3年(36か月)程度が目安と言えます。
「3年も使いそうにないな」という場合には、レンタルで導入したほうが安くつくでしょう。
「3年以上は付き合い続けそうだな」と感じる場合には、購入してしまったほうが安くつきそうです。
実際には、カタログやネットショップの価格表示などを見て、個別に比較が必要です。
レンタル料金を何倍したら購入価格を超えるか、その数字を見ます。
たとえばレンタル料金が月1,000円、購入価格が4万円とします。4万÷1,000=40で、40か月がボーダーラインです。40か月を超えて使いそうなら、購入したほうが割安だとわかります。
なお、表示されているそれぞれの価格が介護保険を適用した後の価格か、1割負担か2割負担か、よく見ましょう。色々な数字が混在してることがあります。
購入するつもりでも、まずはレンタルのほうが良さそう。
「親の病気の種類からすると、長年使う可能性が高いな」などと感じられる場合でも、電動ベッド、車イスなどはいきなり購入しないほうがよいです。
これらは質の良し悪しだけでなく「使い心地」が重要で、患者さんごとにフィットするフィットしない、があります。
まずはレンタルで試してみましょう。良さそうに思えた商品があまり合わないなら、違う商品に交換してまたレンタルしてみましょう。
こうしたお試し期間を経て、「この商品はとても良さそうだ」と感じるものに出会えたなら、購入に踏み切るとよいです。
病気の長さだけでなく、介護生活の変化も想像して。
介護ベッド、介護用品をレンタルにするか購入にするかは、親御さんの病気の種類だけで決めるわけにもいきません。
その在宅介護生活がこれからどのように移行していきそうか、それも想像する必要があります。
多くの場合、最初は要介護1程度で在宅介護生活が送れても、だんだんと老化や認知症、病気の症状が進んでいきます。するとやはり、「老人ホームで暮らしたほうがよいな」というふうにもなってきます。
そして一旦老人ホームなどの施設に入ると、そこから元気になって在宅介護生活に戻る、ということはあまりありません。
すると、威勢よく電動ベッドを買ってしまっても、わずか1年で老人ホーム生活に変わってしまい、高価なベッドが無駄になってしまいます・・・。
ですから、購入よりもレンタルで様子を見たほうが良さそうですし、場合によっては、電動ベッドが必要なほどの大変な容体なら、もう在宅介護を見切って老人ホーム移行を早急に検討すべきかもしれませんね。
一般的に、排泄用器具など直接的に肌が触れるものでないかぎり、購入ではなくレンタルを選ぶほうがスマートです。しばらくレンタルでの使用で様子を見て、どうしても購入が必要だと感じたら切り替えましょう。